チョコレートの種類でテリーヌはどう変わる?5種を焼き比べて違いを解説!
チョコレートには、スイート、ミルク、ホワイト、ハイカカオ、準チョコレートなど、さまざまな種類があります。そのため、チョコレート菓子を作る際に「どのチョコレートを使えばいいの?」と迷ったことはありませんか。実は、チョコレートに含まれるカカオ分や乳成分の違いによって、お菓子の仕上がりは大きく変わります。そこで今回は、5種類のチョコレートを使って同じ配合でテリーヌを作り、それぞれにどんな違いが出るのかを詳しく見ていきます。
クーベルチュールチョコレートと準チョコレートの違い
今回はクーベルチュールチョコレート4種と準チョコレートを使ってテリーヌの焼き比べを行いました。まずは、クーベルチュールチョコレートと準チョコレートの違いを確認しておきましょう。
クーベルチュールチョコレート
クーベルチュールとはフランス語で「覆うもの」という意味があり、とても流動性の高い上質なチョコレートです。国際規格によってカカオ分35%(カカオバター31%)以上、その他代用油脂を含まないものと定められており、余分なものは一切入っていないため、口溶けと風味の良さは抜群です。そして、この品質がお菓子のクオリティにも大きく影響します。※カカオ分とはチョコレートに含まれる、カカオマスとカカオバターの割合です。
準チョコレート
準チョコレートは、チョコレートとは配合基準が異なりカカオ分やカカオバターの含有量が低く設定されています。カカオバターの代用として植物油やヤシ油が使用されることも。そのため、カカオの香りや口溶けが劣りますが、比較的安価で使いやすいことからさまざまな場面で使用されます。
チョコレートの構成要素
チョコレートを構成する要素は大きく分けて6つ。ここでは、それぞれの要素がチョコレートに与える影響についてご紹介します。
※準チョコレートの場合は、カカオバターの一部または全量が代用油脂に置き換えられます。
| 構成要素 | 与える影響 |
|---|---|
| カカオマスカカオ豆の胚乳部(カカオニブ)をすり潰したもの。 | 色、凝固力、カカオの風味・苦味 |
| カカオバターカカオ豆に含まれる油脂。ココアバターとも呼ばれる。 | テンパリング、凝固力、口溶け |
| 砂糖 | 甘さ |
| レシチン(乳化剤) | 流動性 |
| 粉乳 | ミルク感 |
| 香料 | 香り |
5種のチョコレートでテリーヌの焼き上がりを比較
チョコレートを使ったお菓子は、同じレシピでもチョコレートの種類によって見た目や食感、風味が大きく変化します。今回は、5種類のチョコレートを使ってテリーヌを焼き上げ、それぞれの仕上がりを比較しました。
① ホワイトチョコレート
【チョコレートの特徴】
カカオバターをベースに、粉乳と砂糖を加えて作られたチョコレート。カカオマスを含まないため、茶色い色味と苦味成分がなく、香りの主軸は乳とバニラです。
ホワイトチョコレートで作るテリーヌは、鮮やかな色合いです。カカオ分が低いため、一番なめらかで柔らかな仕上がりに。また、粉乳が多く含まれるのでクリーミーで甘さが引き立ちます。抹茶やフルーツパウダーなど色を出したいものを混ぜる場合は、ホワイトチョコが最適です!
② ミルクチョコレート
【チョコレートの特徴】
ホワイトチョコレートにカカオマスを加えたもので、カカオとミルクの両方の味わいを楽しめます。乳成分がカカオの苦味をやわらげ、全体に甘みとコクを与えます。スイートチョコレートに比べると、口溶けはクリーミーに感じられます。
テリーヌに使用すると、柔らかくとろける質感に仕上がります。カカオの力強い香りよりも乳の甘やかさが前に出るため、味の印象はやさしく感じられます。紅茶やコーヒーなど少し苦味のある飲み物との相性が抜群です。
③ スイートチョコレート
【チョコレートの特徴】
カカオマスとカカオバターを主体とし、砂糖で甘味を整えたチョコレート。乳成分を含まないため、カカオの個性がはっきりと現れます。苦味や酸味、香りの厚みなど、チョコレートそのものの味わいを感じやすいのが特徴です。
テリーヌに使用すると、締まりのある濃密な口当たりに仕上がります。カカオ分の凝固力によって、ホワイト、ミルクに比べると冷やすと固さが増します。断面は引き締まり、余韻にはビターな香りが残ります。甘さを抑えたい場合や、カカオの味を主軸にしたいときに最適です。
④ ハイカカオチョコレート
【チョコレートの特徴】
カカオ分が70%以上と非常に高く、甘さ控えめで凝固力が強いのが特徴です。糖分が少ない分、苦味と酸味、香ばしさが際立ち、カカオの個性が最も強く感じられます。油脂の融点もやや高く、口溶けはゆっくりと重厚です。
テリーヌに使用すると、締まりが良く力強い存在感のある仕上がりになります。冷えた状態では、包丁を入れた時も少し固め。常温か少し温めて食べるとなめらかさを感じられます。甘味よりもカカオの深い苦味が印象に残り、後味はキレがよく、余韻に焙煎香が続く大人な味わいです。
⑤ 準チョコレート(スイート)
【チョコレートの特徴】
カカオバターの一部または全量を植物油脂に置き換えたチョコレート。口溶けやカカオの香りはやや穏やかですが、安価で使いやすいのが特徴です。
テリーヌに使用すると、軽めの仕上がりに。カカオの香りは控えめですが、なめらかで伸びのある口溶けになります。風味の主張を抑えたい場合や、他素材を際立たせたい構成に向きます。手軽に安定した仕上がりを得やすい点も利点です。
チョコレートテリーヌレシピ
テリーヌは、どんなチョコレートでも美味しく作れる人気のお菓子。今回ご紹介した5種類のチョコレートすべてに使える共通レシピなので、好みのチョコで楽しめます。
- チョコレート 85g
- 無塩バター 85g
- 卵 70g
- グラニュー糖 60g
- 薄力粉 3g
- 型に敷紙をセットする。
- 薄力粉をふるう。
- 湯煎焼き用のお湯(40度くらい)を用意する。
- オーブンを160度に予熱しておく。
- 1.ボウルにチョコレートとバターを入れ、湯煎で溶かす。
- 2.別のボウルに卵を入れ、グラニュー糖を加えて混ぜ合わせる。
- 3.2に溶かしておいたチョコレートとバターを加え、きれいに乳化するまで混ぜる。
- 4.ふるった薄力粉を加え、粉気がなくなるまで混ぜる。
- 5.型に生地を流し入れ、天板の上に型を置く。湯煎焼き用のお湯を2cmくらいの高さまで注ぐ。
- 6.160度に予熱したオーブンで30分〜焼く。膨らみ、表面が固まったら焼き上がり。
- 7.粗熱を取り、4時間以上冷蔵庫で冷やす。
- 8.型を直接火であぶるか、湯煎につけてテリーヌを取り出す。
- 9.好きな厚みにカットして完成。
- ※湯煎焼きの時は、天板+バットや四角いケーキ型を使うとお湯がこぼれにくく安全です。
- ※冷たいままでも、レンジで500w10秒〜加熱して温めても美味しくお召し上がりいただけます。
まとめ
5種類のチョコレートを使ったテリーヌを焼き比べ、いかがでしたか。同じレシピで焼き比べることで、それぞれのチョコレートの特徴や違いがよくわかったのではないでしょうか。今回のようにバターと卵を多く含むレシピでは、カカオ分の低いホワイトやミルクでもきれいに固まりますが、カカオ分で凝固を支えるムースやガナッシュでは置き換えが難しい場合もあります。基本的には置き換えではなく、チョコレートにあったレシピを使ってくださいね。バレンタインの手作りチョコにも、ぜひこの記事を参考にお気に入りのチョコレートを見つけてください!
















