バニラエッセンス・オイル・ビーンズなど、バニラ香料の違いをプリンで検証
お菓子作りで欠かせない存在といえば「バニラ」。バニラエッセンスに加え、近年はバニラオイルやバニラビーンズペースト、バニラエクストラクトなど、プロが日常的に使う香料も家庭で手に入りやすくなりました。その一方で、種類が増えるほど「どれを選べばいいの?」「代用しても大丈夫?」と迷う方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、プロのパティシエの視点からバニラビーンズと4種類のバニラ香料を、シンプルなプリンで比較してみました。
お菓子作りで欠かせない存在といえば「バニラ」。バニラエッセンスに加え、近年はバニラオイルやバニラビーンズペースト、バニラエクストラクトなど、プロが日常的に使う香料も家庭で手に入りやすくなりました。その一方で、種類が増えるほど「どれを選べばいいの?」「代用しても大丈夫?」と迷う方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、プロのパティシエの視点からバニラビーンズと4種類のバニラ香料を、シンプルなプリンで比較してみました。
バニラはラン科のツル性植物で、長さ20cm前後のインゲン豆のような緑色の実をつけます。この段階ではまだバニラ特有の香りはありませんが、「キュアリング」と呼ばれる発酵・乾燥工程を経ることで、芳香豊かな黒褐色のバニラビーンズへと変化します。このバニラビーンズから香り成分を抽出したものが、バニラエッセンスやバニラオイルなどのバニラ香料で、バニラ香料には天然由来のものだけでなく、合成香料もあります。
バニラビーンズはもちろん、バニラ香料でも、プリンにバニラの効果をしっかり取り入れることができます。ただし、種類によって香りのニュアンスや出方が異なり、仕上がりの印象も少しずつ変わってきます。そこで、それぞれの香料で仕上がりにどのような違いが出るのか、耐熱性・香りの持続・風味改善・高級感で比較してみました。
バニラビーンズは、種とさやの両方を使って香りを引き出します。口に入れた瞬間、ふんわりと広がるやさしい香りが特徴で、味わいは豊かで自然な仕上がりになります。さらに、飲み込んだ後も甘く上品な余韻が続き、ビーンズの粒が入ることで、見た目の高級感も抜群です。
| 耐熱性 | ○ | 沸騰直前まで温めて香りを引き出す |
| 香りの持続 | ◎ | まろやかで甘い余韻が続く |
| 風味改善 | ◎ | 臭みゼロ、卵と乳のコクを引き立てる |
| 高級感 | ◎ | 天然で贅沢な香り、高級感抜群! |
| 使いやすさ | △ | 種をさやから取り出す作業が必要・高価 |
バニラエッセンスは、アルコール(エタノール)でバニラの香りを抽出した香料で、今回は一般的に手に入りやすい合成香料を使用しました。加熱すると香りが飛んでしまう性質があるため、冷菓用として使われます。ただし、火を入れるお菓子でもまったく使えないわけではありません。プリンのように低温で加熱するものなら、口に入れた瞬間にバニラの香りがパッと広がります。その後香りは落ち着き、後味に多少の卵らしさは感じられるものの、家庭的で温かみのある味わいに仕上がります。
| 耐熱性 | △ | 熱に弱いが、低温焼きのプリンには有効 |
| 香りの持続 | △ | 食べた瞬間が強く感じ、すっと消える |
| 風味改善 | 〇 | 最初は良好、後味は卵・乳感が強い |
| 高級感 | △ | 親しみやすく家庭的な味 |
| 使いやすさ | ◎ | 量りやすく安価 |
バニラオイルは、バニラの香り成分を油に溶かした油溶性の香料で、今回は一般的に手に入りやすい合成香料を使用しました。油に溶けているため、耐熱性が高く焼き菓子に向いています。プリンのようなシンプルなお菓子に入れると、香りが少し人工的に感じられますが、全体の印象は市販のプリンの風味に近く、バニラエッセンスに比べると香りはまろやかで持続性があります。そのため、卵の風味や後味のクセを感じにくく、老若男女に好まれる味わいに仕上がります。
| 耐熱性 | 〇 | 加熱に強く、焼き菓子向き |
| 香りの持続 | 〇 | 食べている間、しっかり続く |
| 風味改善 | 〇 | 最後まで臭みが気にならない |
| 高級感 | △ | 親しみやすい味・既製品っぽい味 |
| 使いやすさ | ◎ | 量りやすく安価 |
バニラビーンズペーストは、バニラの芳醇な香りを抽出し、種を加えたペースト状の香料です。今回試したものの中では、一番バニラに近い香りがしました。種も入っているので量を増やせば粒感を際立たせることもできます。ふんわりと広がるナチュラルでスイートな香りは、まるでお店のプリン。実際に、バニラビーンズペーストをプリンやカスタードに使うパティスリーも増えています。お菓子のクオリティを上げたいときにおすすめです。
| 耐熱性 | 〇 | 焼き菓子にも冷菓にも使える |
| 香りの持続 | ◎ | 食べ終わっても甘い香りが続く |
| 風味改善 | 〇 | 臭みゼロ!卵・乳感のバランスが良い |
| 高級感 | ◎ | ナチュラルなバニラ感、お店の味 |
| 使いやすさ | 〇 | 色々なお菓子に使えて便利 |
バニラエクストラクトは、天然のバニラから香り成分をアルコールで抽出した香料で、合成香料のバニラエッセンスとは異なり、加熱しても香りが飛びにくいのが特徴です。加熱することで、アルコールの香りを和らげ、バニラの香りをよりなじませることができます。そのため、仕上がりもしっかり本格派。少ない量でも奥深い香りが広がります。商品ごとに香りの強さや、ニュアンスに差があるので使うときは、少しずつ加えて味を確かめながら調整しましょう。
| 耐熱性 | 〇 | 焼き菓子にも冷菓にも使える |
| 香りの持続 | ◎ | 芳醇で濃厚な香りが長く続く |
| 風味改善 | 〇 | バニラ感が強くでる |
| 高級感 | ◎ | フランス菓子のような本格的な印象に |
| 使いやすさ | △ | 商品によって濃度が違い調整が必要 |
プリンには多くの場合、バニラビーンズやバニラ香料が使われます。これは単に「バニラ味にしたいから」ではなく、バニラの持つ効果を活かして、より美味しく仕上げるためです。
これらの効果は、バニラに含まれる香り成分「バニリン」の働きによるものです。バニリンは化学的に合成することも可能なため、合成香料にも含まれています。卵と牛乳をたっぷり使ったプリンやカスタードクリームのようなシンプルなお菓子では、素材の臭みを和らげるためバニラを加えています。また、バニリンが食品中の揮発性成分と相互作用して臭気を抑え雑味が弱まることで、純粋な甘さが際立つようになります。さらに、バニリンにはリラックス効果やストレス軽減効果もあり、食べる際の満足感も高めてくれる働きも。実際にバニラあり・なしで食べ比べてみると、バニラありの方がより美味しく感じられました。
バニラの香りがプリンの美味しさを引き立てる理由がわかったところで、次はその魅力を存分に味わえるプリンレシピをご紹介します。
【材料(HARIOガラスカップ200ml×6個分)】
バニラエッセンス、バニラオイル、バニラビーンズペースト → 加熱不要
※バニラエッセンスは加熱すると香りが飛んでしまうため、極力火を入れないように卵と合わせます。
※バニラオイル、バニラビーンズペーストは加熱できますが、入れ忘れ防止のために最初に入れるのがおすすめです。
バニラビーンズ → 加熱が必要
※バニラビーンズは、香り成分をしっかり引き出すために、牛乳と一緒に加熱する必要があります。
バニラエクストラクト → 加熱不要だが加熱するとより良くなる
※エクストラクトはエッセンスと同じく、主成分がアルコールですが香気成分が天然のものなので加熱しても消えません。加熱することでより角が取れたまろやかな香りを引き出すことができます。
いかがでしたか。プリンに使うバニラはどのタイプでも効果を発揮します。ご家庭にあるもので作るのも良いですが、バニラを変えるだけで味わいや香りの印象は大きく変わります。ぜひ、自分の作りたい味に合わせたバニラを選んで、プリン作りを楽しんでください。