失敗しないシュークリームの作り方・レシピ|意外と簡単!シュー生地作り
シュークリームは子どもから大人までみんなに愛されているお馴染みのお菓子。chou(シュ)はフランス語でキャベツの意味で、丸く膨れた形がキャベツに似ていることからフランス語ではchou à la crème(シュー・ア・ラ・クレーム)と呼ばれています。家でも作ってみたいけど、なんだか難しそう。作ったことはあるけど、シュー生地がうまく膨らまなかった。という方も多いのでは。そこで、今回はシュークリームの作り方を押さえておきたいポイントとともに詳しくご紹介します。
シュークリームの作り方
シュー生地作りは、水分の量が多くても少なすぎてもダメ。また、火の入れ方や生地の温度によっても仕上がりが変わってきます。しかし、コツさえつかめば、失敗せず意外と簡単に作ることができます。まずはレシピをしっかり読んで、ポイントを理解することが成功への近道です。
材料(直径7cm×8個分)
【シュー生地】
- ・水 50g
- ・牛乳 35g
- ・バター(食塩不使用) 45g
- ・塩 1g
- ・薄力粉(スーパーバイオレット)55g
- ・全卵(生地用)110g前後
- ・全卵(塗り卵用) 適量
※生地用の全卵が余った場合は、塗り卵用に使ってください。
【ディプロマットクリーム】
ディプロマットクリームとは、カスタードクリームに泡立てた生クリームをあわせたものです。<カスタードクリーム>
- ・牛乳 200g
- ・バニラビーンズ 1/5本
- ・卵黄 3個
- ・製菓用グラニュー糖 50g
- ・薄力粉 10g
- ・コーンスターチ 10g
- ・バター(食塩不使用) 10g <生クリーム>
- ・生クリーム(45%)100g
- ・溶けない粉糖 適量
- ・粉ふるい
- ・ボール
- ・ゴムベラ
- ・ハンドミキサー
- ・絞り袋
- ・丸口金#10(生地用)
- ・星口金8切#8(クリーム用)
- ・霧吹き
- ・ベーキングペーパー
- ・ナイフ
- ・裏ごし器
- ・茶こし
- ・鍋
※フッ素加工されている鍋は、生地の見極めが難しくなるので、コーティングされていない厚手の鍋がおすすめです。 - ・カスタードクリームは冷やす時間が必要なため、シュー生地より先に作っておく。(関連記事:カスタードクリームの作り方参照)
- ・薄力粉をふるう。
- ・バターは溶けやすいよう小さくカットし、室温に戻す。
- ・卵は室温に戻して溶きほぐし、生地の調整用に10g取り分ける。
- ・丸口金#10(生地用)、星口金8切#8(クリーム用)を絞り袋にそれぞれセットする。
- ・天板にベーキングペーパーを敷く。
- ・オーブンを200℃に温めておく。
- バターが溶けるタイミングと水分の沸騰が同時になるのがベスト。バターが溶ける前に水分が蒸発しないよう火加減に注意しましょう。
- ➀なかなか生地が落ちず、ブツっと切れて塊で落ちる。→固すぎるため、卵を加えて調整。
- ➁すくい上げた生地がゆっくりと落ち、ゴムベラに残った生地がきれいな逆三角形になる。→この固さがベスト!
- ➂生地が途切れずダラダラと流れるように落ちる。→柔らかすぎる、卵の加えすぎはリカバリーできないので要注意。
- 生地を絞り袋に入れる際は、絞り袋をコップなどに被せて立てると、生地が入れやすくなります。
- 生地を足すときは、上に足すのではなく、口金の先を生地に差し込んで絞りましょう。
【仕上げ】
【関連記事】 カスタードクリームの作り方 クレーム・パティシエール(菓子職人のクリーム)とも呼ばれている基本のクリーム。カスタードクリームの作り方をポイントとともに詳しく解説。 |
使用する道具
準備
シュー生地は、状態を見極めながら手際よく進めていくのがポイントです。途中で手を止めることがないよう、準備はしっかりしておきましょう。
作り方
① シュー生地を作る
1 水、牛乳、バター、塩を鍋に入れ、弱めの中火にかけバターを溶かす。
2 バターが完全に溶けたら中火にし、鍋の中央部分までフツフツとなるようしっかりと沸騰させる。
ここでしっかりと沸騰させることが大切です。熱湯で糊化させることによってデンプンが多くの水分を吸収し、のびの良い生地になります。
3 火から下ろし、薄力粉を一気に加え、ダマが消えるようにゴムベラでしっかり混ぜる。
4 粉気がなくなりひとかたまりになったら、再び弱めの中火にかけ、生地全体の温度が上がるようにゴムベラで押さえつけながら加熱する。
※再び火にかけるのは、薄力粉を加えて下がった生地の温度を上げて、さらに糊化を進めるためです。
5 鍋底に薄い膜が張り、チリチリと音がしてきたら鍋を火から下す。
加熱が足りなくても、しすぎても生地の膨らみが悪くなります。鍋底に薄い膜が張る80℃前後の温度が終了の目安です。
6 ボールに生地を移し、調整用を除いた卵を3回に分けて加え、その都度ハンドミキサーで混ぜる。
※ボールに生地を移すのは、卵に火が入り過ぎないようにするためです。
温度が下がると生地の状態の見極めが難しくなります。卵は必ず常温に戻し、手早く生地に混ぜ込むためにハンドミキサーを使用します。
7 ゴムベラに持ち替え、調整用の卵を少しずつ加えて生地の固さを調整する。
※調整用の卵を使用するのは、沸騰のさせ方や加熱具合によって生地の水分量が変わってくるためです。
卵の量が少ないと膨らみが悪くゴツゴツとした厚みのある皮に、逆に卵を加え過ぎると上に膨らむ力が弱くなり横に広がってしまいます。ベストな生地の固さになるよう卵の量を調節しましょう。
8 丸口金をセットした絞り袋に生地を入れ、口金を天板から1cmぐらい浮かせた状態で固定し、直径5~6cm程度の大きさで8個絞る。
※生地温度は人肌程度がベスト。冷めると固くなり、絞りにくくなります。
9 生地の絞り終わりをならすように、刷毛で卵を塗る。
卵を厚く塗りすぎると生地がうまく膨らまないため、卵は表面に薄く塗ります。
10 霧吹きで全体にしっかりと水を吹きかける。
水を吹きかけることで表面が焼き固まるのが遅くなり、その分生地が膨らみやすくなります。
11 200℃に温めたオーブンに入れ、190℃に下げて15分、180℃で20分、150℃に下げて10分、割れ目に色がつくまで焼成する。
※シュー生地は高温で一気に熱して生地中の水分を蒸発させて膨らませ、中温で生地を焼き固め、低温で中までしっかりと乾燥させます。
※焼き時間・温度はお使いのオーブンによって調節してください。
シュー生地は膨らんでいても割れ目の部分が白いうちは生焼けの状態です。この状態でオーブンを開けるとしぼんでしまい、再びオーブンに入れても膨らむことはありません。割れ目に十分な焼き色がつくまでは絶対に開けないようにしましょう。
12 焼き上がったらケーキクーラーの上で冷ます。
② ディプロマットクリームを作る
13 カスタードクリームを作る(関連記事:カスタードクリームの作り方参照)。
【関連記事】 カスタードクリームの作り方 クレーム・パティシエール(菓子職人のクリーム)とも呼ばれている基本のクリーム。カスタードクリームの作り方をポイントとともに詳しく解説。 |
14 カスタードクリームを冷蔵庫から取り出し、裏ごし器でこし滑らかにする。
15 氷水をあてたボールに生クリームを入れ、ハンドミキサーで9分立てに泡立てる。
保形性のあるクリームに仕上げるため、生クリームはしっかりとツノが立つまで泡立てます。
16 カスタードクリームに泡立てた生クリームを加え、ゴムベラで下からひっくり返すように混ぜる。
混ぜすぎるとクリームがゆるくなってしまうため、生クリームの白いことろが少し残る程度で止めます。
③ 仕上げ
17 シュー生地の粗熱がとれたら上から1/3のところでカットする。
18 星口金(丸口金でも可)をセットした絞り袋にディプロマットクリームを入れ、シュー生地に高さがでるように絞る。
19 カットしたシュー生地をのせ、茶こしで溶けない粉糖をふりかける。
シュー生地が膨らむのはなぜ?
シュークリームの特徴といえば、名前の由来にもなったキャベツにように丸く膨れた生地。では、なぜシュー生地はこのように膨らむことができるのでしょうか。それは、生地に含まれている水分がオーブンの加熱によって水蒸気に変化し、生地を押し上げるから。しかし、いくら水蒸気があっても、生地に粘りがないと風船のように膨らむことはできません。そこで、小麦粉に含まれるデンプンを糊化する必要があります。シュー生地が他のお菓子とは異なり、生地作りの段階で加熱するのはこのためです。
※糊化とは、小麦粉に水を加えて加熱すると小麦粉に含まれているデンプン粒が膨らみ、糊のような粘りがある状態になること。
シュー生地を使ったその他のお菓子
シュークリーム以外にもシュー生地を使ったお菓子はいろいろあります。シュークリームをマスターしたら、クッキーシュー、スワンシュー、パリブレストにチャレンジしてみませんか。
クッキーシュー
薄くスライスしたクッキー生地をのせて焼くと、ちょっと甘くてカリッとした歯ごたえのあるシュー生地に。 コロンとした愛らしいシュー生地の中にはデュプロマットクリームがたっぷり。
スワンシュー
難易度は高いけれど、いつかは作ってみたい憧れのスワンシュー。ポイントは首の部分となる繊細な絞り。オイルを使用した軽い口当たりのシュー生地に、2種類のクリームを絞って組み立てます。
パリブレスト
フランスで行われた自転車レースにちなんで生まれたパリブレスト。車輪をイメージしたリング状のシュー生地にはプラリネクリームがたっぷり。軽い食感のシュー生地と濃厚なクリームの相性が抜群です。