準強力粉とは?
種類別に徹底比較!フランスパン作りにおすすめの小麦粉ガイド
パリッとした食感が魅力のバゲットやクロワッサンを作るときには強力粉よりややタンパク質の少ない準強力粉がおすすめです。ここでは、なぜ準強力粉がいいのか?また、準強力粉選びのポイントと、種類別にそれぞれの特徴をまとめした。これらを参考に、お好みの準強力粉を探してみてはいかがでしょうか。

CONTENTS
準強力粉と強力粉や中力粉との違いは?
小麦粉に含まれるタンパク質量の違いです。また、タンパク質の量は原料となる小麦の品種によって決まります。
胚乳の硬さ | 特長 | |
硬質小麦 | 硬い | タンパク質量が多く、主に強力粉の原料となる。 ※硬質小麦のなかでタンパク質量がやや劣るものが、主に準強力粉の原料となる。 |
中間質小麦 | 中間 | タンパク質量は中間で、主に中力粉の原料となる。 |
軟質小麦 | 軟らかい | タンパク質量が少なく、主に薄力粉の原料となる。 |
タンパク質量(%) | グルテンの質 | 粒子の大きさ | 主な用途 | |
強力粉 | 約11.5~13.5 | 強靭 | 粗い | パン、麩など |
準強力粉 | 約10.5~11.5 | やや強い | やや粗い | フランスパン、麺(ラーメン)など |
中力粉 | 約8.5~10.5 | 軟 | 細かい | 麺(乾麺・うどん)など |
薄力粉 | 約7.0~8.5 | 軟弱 | 極細かい | 菓子全般、天ぷらなど |
フランスパン作りの小麦粉はなぜ準強力粉なの?
バゲットのようなパンの外側がパリッとして歯切れのよいパンを作るには、グルテンの形成をほどよく抑え、生地のつながりをゆるやかにする必要があります。そのためには、強力粉よりタンパク質量がやや少ない準強力粉が適しています。また、生地を伸ばしたり、折り込んだりする作業の多いクロワッサンやデニッシュなどもグルテンが強すぎると作業がしづらいため、準強力粉が使われます。

準強力粉選びのポイントは?
■灰分について
灰分が多い粉を使用すると、小麦の香り味わいが強くなり、逆に、灰分が少ない粉を使用すると、小麦の風味が軽く淡泊な味わいに。フランスパンなどシンプルな材料で作るパンに使用される準強力粉は、小麦の風味がダイレクトに感じられる灰分の多い粉が好まれる傾向にあります。しかし、灰分の多い粉は酵素も多く含まれるため、生地がだれやすく扱いづらくなります。
※灰分とは、表皮や胚芽部分に含まれるリン、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルのことです。
■フランスでの分類も知っておこう
フランスパン用の小麦粉を探していると「タイプ55」や「タイプ65」という言葉を目にすることがあります。これはフランスで使われている小麦粉の分類で、数字は灰分の量を表しています。準強力粉はフランスパンに使われることが多いことから、日本で作られた粉であっても「タイプ55」や「タイプ65」という言葉を使って粉の説明がされることがあります。
灰分 | 主な用途 | |
タイプ45 | 0.5以下 | ケーキ、ペストリー、菓子パンなど |
タイプ55 | 0.5~0.6 | パン、パイ、タルトなど |
タイプ65 | 0.62~0.75 | バゲット、ピザなど |
タイプ80 | 0.75~0.9 | 一般的なパン |
■原材料をチェック
砂糖を使わないシンプルな材料でつくるフランスパンは、発酵を促すためにイーストの栄養源となるモルトパウダーを加えます。準強力粉のなかには、小麦粉にあらかじめモルトパウダーを添加している場合もあるので、原材料はチェックするようにしましょう。

モルトパウダーとは発芽大麦を乾燥させ粉末にしたもので、同様の働きをするモルトシロップ(モルトエキス)もあります。
おすすめ7種類の準強力粉を徹底比較
プロフーズで取り扱いのある7種類の準強力粉について、比較がしやすいようにチャートと一覧にまとめました。
■準強力粉成分チャート
タンパク質と灰分の量を表した分布図で、国産小麦は 、外国産小麦は で表示しています。
※原料事情や収穫年度により、タンパク質、灰分は変動する場合があります。

■準強力粉一覧表
タイプER上級者向け |
タンパク質 | 12.2±1.5% |
灰分 | 0.70±0.10% | |
容量 | 1kg | |
北海道産小麦を使って「タイプ65」を目指して仕上げたハードブレット用粉です。生地がベタつき扱いが難しい粉ですが、高灰分ならではの独特な強い味と香りが魅力です。 【原材料】小麦粉/米こうじ、クロレラエキス粉末、アセロラ粉末 |
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Fナポレオンはじめてのフランスパンに |
タンパク質 | 11.8±0.5% |
灰分 | 0.42±0.04% | |
容量 | 1kg | |
小麦本来の味わいと作りやすさを兼ね備えた、スタンダードな準強力粉です。ディレクト(ストレート)法でも、きれいなクープを入れることができます。 【原材料】小麦 |
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メゾンカイザートラディショナル |
タンパク質 | 11.6±1.0% |
灰分 | 0.43%(0.50%以下) | |
容量 | 1kg | |
メゾンカイザーのオーナーがプロデュースした粉で、炒ったきなこのような独特の香ばしい香りが特長です。深みのある美味しさ、クリーミーな色合いの内相をもつパンに仕上がります。 【原材料】小麦粉、粉末麦芽 |
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ヌフ・ヴァンテ |
タンパク質 | 11.2±0.5% |
灰分 | 0.37±0.04% | |
容量 | 1kg | |
複数種の小麦をブレンドし、日本人の好みにあう食感・風味に仕上げました。クラストはカリッと、クラムはもっちりとした食感に仕上がります。 【原材料】小麦粉、粉末麦芽/酵素 |
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ジェニー |
タンパク質 | 11.2±0.5% |
灰分 | 0.48±0.04% | |
容量 | 1kg | |
味や香りにこだわりつつ、生地の扱いやすさや仕上がりの安定性に重点をおいて開発されました。ディレクト(ストレート)法でも、味わい、香りが引き立ちます。 【原材料】小麦粉/粉末モルト抽出物 |
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リスドオルはじめてのフランスパンに |
タンパク質 | 10.7±0.5% |
灰分 | 0.45±0.03% | |
容量 | 1kg 2kg 25kg | |
多くのパン店で使用されている、ロングセラーのフランスパン用粉です。十分な発酵により、クラストはカリッと、クラムはしっとり風味豊かなフランスパンに仕上がります。 【原材料】小麦粉、粉末麦芽 |
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メルベイユ上級者向け |
タンパク質 | 10.0±1.0% |
灰分 | 0.6±0.1% | |
容量 | 1kg | |
「タイプ65」を再現するために、フランス産小麦100%使用し、挽き方にもこだわりました。長時間の発酵で、コクのある深い味わいと芳醇な香りのパンに仕上がります。 【原材料】小麦 |